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月100回超も…訪問介護の使いすぎ、自治体ごと検証へ

 厚生労働省は訪問介護の利用回数が多い人たちについて、自治体が設ける専門職らの会議で妥当性を判断する仕組みを導入する方針を固めた。

財務省が月100回以上使っている人がいると問題視し、介護保険で使える利用回数に一律の上限設定を求めているが、生活に必要な人もいるとして個別の事情を考慮できる形にする。

 訪問介護はヘルパーが高齢者の家を訪れ、入浴などを手助けする「身体介護」と調理や掃除などをする「生活援助」がある。議論となっているのは主に生活援助の利用回数だ。財務省は要介護1、2の人の利用回数は月10回ほどなのに、月100回以上利用するケースがあり、「効率的なサービスが行われていない可能性がある」と指摘する。

 だが厚労省は、認知症で食事や服薬を忘れる人が1日3回以上使うこともあると判断。一律に上限は設けない。代わりに訪問介護の利用平均回数を調査し、上位3~5%ほどの利用回数から「著しく利用が多い」と判断する目安を定め、自治体に通知する。

 自治体は、この目安から乱用の可能性があると判断した高齢者について、作業療法士や薬剤師ら多職種が連携してケアプラン(介護計画)の妥当性をチェックする「地域ケア会議」などで検証する。使いすぎと判断した場合は、ほかのサービスやボランティアの利用を促す。来年度の介護報酬改定で導入する方針だ。

 厚労省は報酬改定で、ケアプランをつくるケアマネジャーの中立性を高める見直しもする方針だ。ケアマネが勤める居宅介護支援事業所は、大半が訪問介護なども営み、自社のサービスを多くケアプランに入れる「お手盛り」が指摘されてきた。このためサービスの利用先の選定理由と複数の利用先を紹介できることを利用者に説明するよう義務付け、違反が判明したら報酬を削る。ほかの事業を手がけていない居宅介護支援事業所は独立性を評価し、報酬を厚くする方針だ。(松川希実)

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