top of page

介護の仕事に、人気がないのはなぜ?

「きつい」現状、改善必要

介護の仕事に人気がないのはなぜ?

 Q 若い人の就職先の中で、介護業界は人気があまりないという話を聞くんだけれど、どうしてなの?

 A 理由としてよく挙げられるのは、「仕事が大変な割に給与が低いから」だ。国の調査では、賞与を含めた介護職の給与は平均で月約26万円。これを世の中の全ての仕事の平均額と比べると、約10万円低い。

 こうした待遇の低さも影響して、介護現場で中心的な役割を担う「介護福祉士」を目指す学生は、年々減り続けているんだ。彼らを養成する大学や専門学校では、大幅な定員割れが問題になっているよ。

 Q 仕事の価値はお金だけではないと思うけれど……。介護の仕事は大変なの?

 A 施設や事業所によって様々だけれど、「きつい仕事」であることを示すデータはある。日本医療労働組合連合会が昨年、介護施設で夜勤をする職員の労働時間を調べたところ、夜勤の日の勤務時間が16時間以上という施設が約6割あった。長時間労働だね。こうした現状もあって、就職や転職の支援を行う企業が学生らに行った調査では、「体力的・精神的にきつい」などの否定的な見方が、肯定的な見方を大きく上回った。

 Q それで人気がないのね。働く人は足りているの?

 A 介護業界の人気は「景気と反比例する」と言われ、経済が好転すると、待遇の良い他の業種に人材を奪われがちになるんだ。介護の仕事をしたい人1人に対して、どれだけの求人数があるのかを表す有効求人倍率を見ると、今は3倍以上と高い。つまり、人手不足が深刻だ。

 入居待ちが全国で約36万人もいる特別養護老人ホームには、ベッドが空いていても高齢者を受け入れられない施設がある。それも、職員が足りないからなんだ。

 Q どうすれば、やりたい人が増えるのかしら?

 A まずは、給与を引き上げること。国は今年4月から介護職の給与を月平均で1万円積み増したけれど、今後も改善を続ける必要がある。元気な高齢者や外国人など、担い手を広げていくことも必要だろうね。

タグ:

特集記事
最新記事
アーカイブ
タグから検索
ソーシャルメディア
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square
bottom of page