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介護計画作り AIがお助け


介護計画づくりを半分以上短縮

高齢者向け施設など介護事業を手掛けるさくらコミュニティサービス(札幌市)は、人工知能(AI)が介護計画づくりを指南するシステムを2017年度中に開発する。

職員の作成作業を半分以下に減らし負担を軽減する。入居者の症状の変化への対応を助言できる機能も持たせる。将来は製薬会社などにデータを販売し、効果的な治療や創薬に生かしてもらう。

 システム開発は経済産業省の「商業・サービス競争力強化連携支援事業」に採択された。17~18年度で計6000万円の補助金を活用する。同社が介護データを提供し、ソフトウエア開発のテクノフェイス(札幌市)が設計・構築を担う。

 さくらコミュニティサービスは施設に入居している高齢者の体調や介護内容を記録するため、手書きではなく、独自に開発したスマートフォン向けのアプリを介護現場で試験的に使っている。

 新システムではこのデータを活用。入居者一人ひとりのこれまでの体温や脈拍、運動量、食事内容などをAIが分析し、介護目標に基づいて運動や食事、必要な介護サービスをいつ、どの程度提供すべきかを算出する。職員はAIの計画案に、これまで現場で培ったノウハウを加えて介護計画を完成させる。

 通常の介護計画づくりは高齢者1人あたり月2~3時間かかる。1人の職員が複数の高齢者を担当するため合計で10時間程度を費やしている。AIを活用すれば、この時間を半分以上短縮できるという。中元秀昭社長は記録や計画作成にかかる職員の負担軽減により、「現場での仕事により時間を割けるようになり、サービス向上につながる」と期待する。

 アプリには新たにチャット機能も搭載する。発熱などが起きた場合に質問を送ると、AIが対処法を助言する仕組み。職員の仕事が円滑に進むよう支援し、人手不足が深刻な介護現場で就業環境の改善を目指す。

将来は、海外進出や、医療関係につなげる

英語やミャンマー語など多言語で入力できる機能も開発する。年内に介護分野で外国人技能実習生を受け入れられるようになるため、外国人の雇用も視野に入れているからだ。自社の運営施設で使いながら改良を重ね、18年度中に他の介護事業者向けに同アプリの販売も始める。シンガポール、中国など海外での販路開拓を狙う。

 将来は介護関連の膨大なデータを、病院や製薬会社、医療機器メーカーなどに販売する。治療や投薬効果を分析し、新たな商品開発につなげてもらう考えだ。

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