認知症の症状は、記憶障害を中心とした認知症の方に必ず見られる中核症状と、そこに本人の性格や環境の変化などが加わって起こる周辺症状があります。
中核症状とは
中核症状とは、脳の神経細胞の破壊によって起こる症状で、代表的な症状は記憶障害です。特に、直前に起きたことも忘れるような症状が顕著です。その一方、古い過去の記憶はよく残りますが、症状の進行とともに、それらも失われることが多いようです。
また、筋道を立てた思考ができなくなる判断力の低下、時間や場所・名前などが分からなくなる見当識障害などがあります。
周辺症状とは
周辺症状は、脳の障害により生じる精神症状や行動の異常をいいます。具体的には、妄想を抱いたり、うつ感や不安感、無気力といった感情障害などの精神症状と、徘徊、興奮、攻撃、暴力などの行動の異常が見られます。
周辺症状は、脳の障害を背景に、その人の性格や環境、人間関係などが絡み合って起きるものです。そのため、症状は人それぞれ異なり、また接する人や日時によっても大きく変わってきます。